有名ジャズメンベスト3 Famous JAZZ Men Best3

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有名ジャズメンベスト3 Famous JAZZ Men Best3

ジャズ界に君臨して、現在に至るまで強烈な影響を及ぼし続けているトランペット奏者「マイルス・デイヴィス」の言葉に次のものがある。

「ジャズと言うのは、つまりは次の4つの言葉で表わされる。その4つの言葉とは、ルイ・アームストロング・チャーリー・パーカーだ

ジャズの帝王とも言うべき彼の口から出た言葉だけに、この言葉はかなりの面で真実を語っている。その4つの言葉、ルイ・アームストロング・チャーリー・パーカーとは、もちろんトランペット奏者で、その独創性に溢れ、比類のないテクニックで他を圧倒するトランペットソロと独特の声でポピュラーミュージックまでを自分色に変え、世界中を魅了したジャズ界の巨人ルイ・アームストロングと、モダンジャズの始まり「ビ・バップ」の創始者にして、ジャズ史上最高のインプロヴァイザー(アドリブ奏者)であるアルトサックス奏者の巨星、チャーリー・パーカーのことである。

この二人に、この言葉を語ったとされるその人、ジャズ界のみならず、フュージョンやロックシーンにまで影響を与えたトランペット奏者マイルス・デイヴィス本人を加え、6つ言葉(つまりはベスト3)でジャズ100年の歴史はひとまず語る事が出来る。

それは、1900年ごろから始まったとされるジャズ100年の歴史をそのスタイルで大きく分類する事からもはっきりとわかる。ジャズの歴史は大まかに次の3つにわける事が出来る。その3つとはすなわち、

  1. モダンジャズ以前 1900年~1944年 ~ニューオリンズからスイングまで~ ルイ・アームストロング サッチモ・アット・シンフォニーホール 1947年
  2. モダンジャズ 1945年~1969年 ~ビ・バップからモード、フリーまで~ チャーリー・パーカー
  3. モダンジャズ以降 1970年~2013年現在 ~フュージョンから現在~ マイルス・デイヴィス
である。そして、それぞれの時代の代表として当てはまるこの3人の代表作を聴く事により、ジャズ100年の歴史の大まかなストラクチャーを知る事が出来る。

第1位 ルイ・アームストロング

サッチモ・アット・シンフォニーホール1947年

共演メンバー、演奏、曲目、録音全てがモダンジャズ以前の最高のニューオリンズジャズの金字塔。全曲名演が続くが、特にディスク2の1曲目「マホガニー・ホール・ストンプ」におけるルイのトランペットが奏でるロングトーンは驚異的。トランペットに仕掛けが施されているのではと、直接ルイを知らない当時のプロのミュージシャンに思わせたほどのテクニックの冴えを見る事が出来る。特徴のあるボーカルも絶好調の大名盤。

第2位 チャーリー・パーカー

ナウズ・ザ・タイム 1952年

1940年代の中ごろからこのスタイルで吹いていたパーカーにとって、晩年にあたるこのCDは決して腕が鈍ったのではなく、周りのミュージシャンの力量がようやく対等に音楽を奏でる事が出来る様になっただけ。パーカーに関してはこの録音も絶好調。モダンジャズの最大の特徴であるアドリブ芸術としての観点から見ると、フレーズの一音一音が録音の良さも相まって、曖昧な部分が無く説得力に溢れる彼の代表作と言う事はもちろん、モダンジャズ史上においても、モダンジャズを作った真のスタイリストの傑作と言える名盤。

第3位 マイルス・デイヴィス

ビッチェズ・ブリュー 1969年

1曲目「ファラオズ・ダンス」からジャケットのイラストの世界に引き込まれる。当時のサイケデリックな風潮をマイルスなりの解釈で、より幻想的に呪術的に表現を試みた問題作。この作品以降、ジャズは他音楽のビートやサウンドをさらに取り入れ、フュージョン、ファンクジャズ、スムースジャズなど、多様化を増して行く事になる記念碑的な作品。

ここではベスト3に順位をつけるに当たり、ジャズが100年に渡って綿々と繋がってきた文化であるという点を踏まえて、先人に敬意を表して、年代順とした。また、便宜上有名ジャズメンとしたが、最重要ジャズメンと表記してもあながち間違いではない。

もっとも、この3人をもってジャズのすべてであるという意味ではないが、この3人はすべてがジャズだったという事を併せて明記しておく。

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