当時9歳で世界最年少メジャーデビューを果たしたジャズピアニスト「奥田弦」23歳の今!

2025年9月

9歳でジャズジャパンアワード受賞、

独学で頭角を現した奥田弦のソロピアノ!

銀座バーブラなんと9歳でポニーキャニオンより史上最年少ピアニストとしてメジャーデビューし、同年「ジャズジャパンアワード2011」ニュースター部門を受賞。正式なレッスンはわずか3ヶ月のみで、ほぼ独学によりプロレベルの演奏技術を習得したという異例のピアニスト、奥田弦のソロピアノが銀座バーブラで、行われました。早速聴いてきました。

Susumu Osukaまず、9歳でメジャーデビューされた経緯についてお聞かせください。

Gen Okuda3歳の時におもちゃの赤いピアノを弾いていたら、この子うまいなと両親がピアノを買ってくれました。両親は特にジャズを聴いていたわけではないのですが、5歳になって、突然両親にビル・エヴァンスの「ポートレート・イン・ジャズ」をねだって、両親がびっくりしたそうです。

奥田弦SOえっ、ジャズはご両親の影響ということではなく?

GOはい、自分で好きになって。次にオスカー・ピーターソンの「ナイト・トレイン」を買ってもらい、C・ジャム・ブルースを耳コピーして遊んでいました。

SOなんとも、早熟なお子さんだったのですね。それで?

GO7、8歳のころ、ユーチューブで「弾いてみた」というきらきら星変奏曲の動画をアップしたら、NHKの目に留まり、テレビに出るようになり、そこからポニーキャニオンさんとの縁ができ、どうせデビューするなら世界最年少で行きましょうと9歳でデビューになりました。

奥田弦SOそれからずっとメジャーな活動をされていて、現在にいたるということですね。今はおいくつになられたのですか? 今の活動はどういう?

GOずっとソロ活動をしていましたので、23歳になってソロのほかにトリオでもやっていきたいと思っており、今メンバーを探しているところです。

SOこれまでソロにこだわってきた理由はなんですか?

GOアート・テイタムやファッツ・ウォーラーなど古めのものが好きで、その影響もありますが、デビューの延長でソロ活動をしてきたということです。大きなこだわりはないです。

SO今後はトリオでも活動されたいとのことですが、ほかにはどういった活動を考えていますか?

GO10月16日にはここ銀座バーブラで、来年の3月15日には、オーケストラジャパンとサントリーホールで演奏をします。あとは、ずっと日本にいたので、ジャズの本場のアメリカで、自分の腕が通用するのか試してみたいです!

当日のソロライブの感想はこちらです!

奥田弦「Rebirth - OKUDA GEN Concert Tour 2025」
日程:2025年9月18日(木)第1部 18:00開演
場所: 銀座BARBRA(東京都中央区)

1.スペイン(アップテンポ)

Susumu Osukaオンタイムにすっと自然体でピアノの前に座り、おもむろにリズムに乗ってテクニカルなナンバーを披露。あっという間にソロピアノの世界に引き込む。

2. オール・ザ・シングス・ユー・アー(アップテンポ)

SOどちらかというと、ミディアムテンポで演奏されることが多いスタンダードをアップテンポで。リズムを強く打ち出した演奏。

3.サマータイム(アップテンポ)

SO3曲続けてアップテンポ。アップテンポが好きなんですとは本人の弁。リズムを強調したシングルトーンがスリリング。

4.モーニン(ミディアムテンポ)

SOここから、リクエストタイム。リクエストのせいか選曲に意外性を感じる。やはり、こういうブルージーな曲調は、トリオで聴きたい。

5.ムーンリバー(スロー)

奥田弦SOこれもリクエスト。ここで一度落ち着きたいとはじめる。アップテンポが続き緊張した客席も一息ついた感じ。3曲目くらいに差し込んでいれば、もっと雰囲気が出た気がする。

6. チュニジアの夜(アップテンポ)

SO原曲とは拍子を変え、よりテクニカルなナンバーに。実力を発揮した演奏。

7.フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(ミディアム)

SOオスカー・ピーターソンを思わせるスイング感が心地よい。こういったミディアムでスイングする曲がもう1,2曲欲しい。

8. オリジナル曲(題名無し、やや早めのミディアム)

SO友達と作ったらうまくできちゃったんで、まだ題名がついていないけどお送りします、と言って始めた曲。モード風な導入部に上から下がってくるサビ部分をもつ。作曲ができるので、知らないスタンダードをやるよりは、オリジナル曲を書いちゃいます、とは本人弁。

アンコール曲. トゥ・ラブ・アゲイン(ショパンノクターン第2番、アップテンポ)

SOアンコール曲。クラシカルな要素も取り入れ、約1時間が短く感じられたエンディングに。

今回実際聴いてみて、アップテンポが多いのは、本人が好きだからというシンプルな理由。セットリストを誰もが知っているスタンダード曲やリクエスト曲で固めるのは、どうせなら皆が知っているものを聴かせたいという思いと誰もが知っているもので勝負できるとの自信の両面です。デビューして14年ですが、まだまだ23歳の若者。これからがますます楽しみな逸材です。

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