イスラエルと日本の融合! 日本生まれのギタリスト リバーモア海(カイ)結成のバンド「KENS」 アルバム
「Atarayo」
毎日記録的な暑さが続く今年の夏ですが、そんな猛暑を吹き飛ばす熱くてクールな若い世代のアルバム情報が飛び込んできました! 日本生まれの日本育ちのイスラエル人ギタリストの「リバーモア海(カイ)」が結成したバンド「KENS」によるアルバム「Atarayo」です。早速、その新譜とKENSを紹介します!
Susumu OsukaKENSについて簡単に自己紹介してください
リバーモア 海(カイ)イスラエル人両親のもとに日本で生まれ育ち、高校在学中にギターを 始めました。ジャズをはじめ、ポップスやロックなど幅広いジャンルでレコーディングやツアーをこなし、現在はバークリーに全額特待生として在学しながらメディアや映画に向けた音楽に取り組んでいます。KENSはイスラエル最高峰の音大 Rimonの中でも精鋭を集めたJazz Institute で出会いました。結成したというより、いくつかのギグをこなしていくうちに自然にバンドになっていったという感じです。自分たちでライブ、ツアーを計画したり、デザインをしたり動画編集をしたり、とにかくなんでも自分たちでできるようになってしまったバンドです。
SOメンバーの紹介をしてください
エリ・オル ベーシストイスラエル北部の街パルデスハナで生まれ、小さい頃から音楽に 触れて育ちました。10歳の時にベースをはじめ、23歳の今、イスラエルを代表する気概を持った女性ベーシストとしてKENSでの活動以外にも、ポップスやファンクのバンドで活動しています。
ノアム・アルベル ドラマー音楽一家の末っ子として生まれ、メタルからジャズまで幅広いジャ ンルをこなすドラマーです。独特のテクニックが自慢で、他にはなかなか聞くことがないドラミングフレーズをお聞かせします。
SOアルバム制作時において具体的にはどのようなことを工夫されたのでしょうか?
リバーモア 海(カイ)制作期間が2年を超えるこのアルバムは20代前半のKENSが持てるものを全てぶつけた大作になっています。トリオだけで弾いているトラックから20人を超える人が参加しているものまでさまざまで、Daniel Zamir やイスラエルフィルのストリングスセクションなど豪華なゲストたくさん参加している作品です。
それでは、早速アルバム「Atarayo」を聴いてみましょう!
「Atarayo」
<パーソネル>
Guitar : リバーモア 海(カイ)
Bass : エリ・オル
Drum : ノアム・アルベル
Sax : Daniel Zamir
Strings : イスラエルフィル
1. Intro (feat. 山田天山 尺八)
Susumu Osuka山田天山の尺八をフィーチャー。日本らしさ全開のアルバムに期待を持たせる出だしに相応しいナンバー。
2. Unsolved
SOイントロからの続きを思わせるベースのフィルから始まるナンバー。女性ヴォーカルとストリングスがエキゾチックな雰囲気を醸し出す。
3.Nad-Ned
SOベースの特徴的なフレーズに始まる軽快なナンバー。複雑なメロディーが一筋縄ではいかない新世代感を醸し出している。
4. Hive Mind
SO Daniel Zamirのアルトサックスが躍動するナンバー。もっと聞いていたいと思わせるサックスソロはさすが。
5. Day Tripper
SO言わずと知れたビートルズナンバーを変拍子でアレンジ。無理なく自然に溶け込むリズムが楽しい。
6. Shelter
SOこういった戦争用語を聞くと、つくづく音楽をやれる幸せを実感する。緊迫感はあるが、悲壮感よりも軽快なドラムに耳を奪われるナンバー。
7. Keep It Champ!
SO往年のウェザーリポートを思わせる軽快な曲調。
8. Nardis
SOビル・エヴァンスで有名な名曲を、ストリングスを交えてアレンジ。独自の解釈を聞かせる。
9. Cycles
SO女性ヴォーカルが印象的なナンバー。アルバムのフィナーレに向かう間奏曲とのこと。デジタル時代にあって、昔のようなトータルとしてのアルバムづくりを感じさせる。
10. 7 wishes
SOアルバムの最後を飾るにふさわしいナンバー。今やワールドワイドになったジャズにおいて本当の意味での各国の融合とは何か、を問うサウンドを目指しているのを感じる。
彼らのような若い世代に理解され、融合され現代の音楽として昇華されていくジャズの姿が見え、力をもらえる気がします。若い彼らの次回作に更に期待したい!
KENS
「Nad-Ned」
ベースの特徴的なフレーズに始まる軽快なナンバー。複雑なメロディーが一筋縄ではいかない新世代感を醸し出している。
KENS
「Unsolved」
女性ヴォーカルとストリングスがエキゾチックな雰囲気を醸し出す。