アジアからの爽やかな風! ギタリスト ユ·ハンジュン アルバム
「ファースト・ウェーブ」

2020年10月

アジアからの爽やかな風! ギタリスト ユ·ハンジュン アルバム「ファースト・ウェーブ」

ファースト・ウェーブいつまで続くのかこの世界的「コロナ禍」と、うっとうしい思いがなかなか払拭されない昨今ですが、アジアそれも隣国ともいえる韓国から、爽やかな若い世代のアルバム情報が飛び込んできました! ギタリストの「ユ·ハンジュン」による「ファースト・ウェーブ」です。早速、その新譜とユ·ハンジュンを紹介します!

Susumu Osuka簡単に自己紹介してください

Han jun ryuこんにちは。私の名前はHan jun ryu(ユ·ハンジュン)です。韓国、ソウル芸術大学校でポップと様々なジャンルを勉強した後、現在はオランダでジャズを中心とした活動をしているギタリストです。今回、すべてオリジナル曲のアルバム「First Wave(ファースト・ウェーブ)」をリリースしました。このアルバムでは自分と同じ20代のすぐれた仲間とジャズを基盤としたロック、R&Bなど多様なジャンルを演奏しています。

SOどういったコンセプトのもとにアルバム制作を行ったのでしょうか?

HRギターがメインでどれほど温かく可変性のある演奏ができるかを考えました。過ぎ去った時間と瞬間、そして感情を思い出しながら作曲をしました。そのためか、8曲とも異なる感じを持っており、音楽というソースを通じて視覚的効果、視覚的カラーを表現できればと思いました。10代の頃から現在まで海外で過ごしていて、一人で思うことと様々な経験、そして生きてきた場所をもとに曲のテーマを決めました。

SOアルバム制作時において具体的にはどのようなことを工夫されたのでしょうか?

HR一般には馴染みのないジャズギターテクニックとサウンド、このような音楽的特性を様々な音楽ジャンルの上で分かりやすく表現しようとしました。それは、常日頃なぜ人々がジャズを難しく感じ、あまり好まないのかについて考えさせられていたからです。シンプルながら強い伝達力のあるメロディーと全体的な展開を考えた「コード進行」を中心に緻密で体系的な作曲を志しました。対照的に各パートのソロでは枠にとらわれない即興演奏(Improvisation)を披露し、各自自由で特色ある音楽での会話を展開しながら、ライブ演奏のようなエネルギーを表出させることを心がけました。

それでは、早速アルバム「ファースト・ウェーブ」を聴いてみましょう!

Han Jun Ryu(ユ·ハンジュン)「ファースト・ウェーブ」
<パーソネル>
Guitar : Han Jun Ryu
Bass : Min Kyu Jun
Piano : Myeong Sik Keum
Drum : Jung Hoon Yang
Saxophone : Hyeong Cheol Park
Vocal : Yeon Park (Track 5), Sang Hun Mo (Track 1, 4), Irang Lee (Track 4)

1.wave (feat. Sang hoon mo)

Susumu Osukaモ・サンフン(sang hoon mo)のヴォーカルをフィーチャー。スキャットヴォーカルとギターのユニゾンが静かな盛り上がりを見せる。アルバムの出だしに相応しいナンバー。

2. Ikebukuro

SO10代の頃、池袋を天気の良い日に歩いて感じた感情を表現したという曲。池袋という街が持つ一種良い意味での猥雑な雰囲気がよく出ている。 

3.Summer

SO夏を思わせる爽やかな始まり。オランダより帰郷した韓国の海で感じた明るい緑色をイメージしたという。「80/81」の頃のパット・メセニーか、「NIGHT」のジョン・アバークロンビー的な懐かしいECMギターサウンドを感じさせる。

4. Quarantined

SO内省的なギターソロに始まり、アルトサックスによりシンプルながらもドラマチックなテーマが奏でられる。ユ·ハンジュンのギターソロは、澄んだ音色ながらも盛り上がりを見せている。

5. Moon Dance (feat. YEON PARK)

パク·ヨンSOパク·ヨン(YEON PARK)のヴォーカルをフィーチャー。ささやくような声が耳に残る印象的なナンバー。アコースティックな響きのピアノが効果を上げている。

6. Schans

SOオランダに住んでいた家で、紫色のフィーリングと寂しさを感じながら作ったという曲。アーバンな夜をも感じさせるムードのある曲。その上80年代フュージョン全盛時代を思わせるどこか懐かしい曲調で、アルトサックスソロは、クオーテーション(別の曲の断片を入れる手法)などジャズ的遊び心を見せてはいるが、あえてここではジャズっぽいフレーズを封印してフュージョン風に聞きやすくまとめているようで曲にあっている。

7. Underground

SOウェザーリポートの有名な曲「バードランド」を思わせるドラムのリムショットに始まり、次の局面で音楽は別の広がりを見せる。ベースソロが緊迫した感じを上手く伝えており、続くギターソロはスピード感にあふれている。プログレッシブ・ロックの影響を感じさせる曲調。

8. Delfshaven

SOギターソロのイントロが、何かが始まる雰囲気を伝える。でもそれがどういう方向なのか、何なのかが容易にわからないという、期待をもたせる感じで成功している。テーマもミステリアス。ピアノの構築感のあるソロにより、いやがうえにも盛り上がり、その後一度クールダウンしてからのドラムソロが聴きもの。最後にふさわしい一番聴きごたえのある曲。

ジャズも彼らのような若い世代に理解され、現代の音楽として昇華されている近況を見ると、力をもらえる気がします。若い彼らの次回作に更に期待したい!

ユ·ハンジュン

『ファースト・ウェーブ』

ファースト・ウェーブ PERSONNEL:
Guitar : Han Jun Ryu
Bass : Min Kyu Jun
Piano : Myeong Sik Keum
Drum : Jung Hoon Yang
Saxophone : Hyeong Cheol Park
Vocal : Yeon Park (Track 5), Sang Hun Mo (Track 1, 4), Irang Lee (Track 4)

TRACKS:
1,WAVE (feat. Sang hoon mo) 2,IKEBUKURO 3,SUMMER 4,QUARANTINED 5,MOON DANCE(feat. YEON PARK) 6,SCHANS 7,UNDERGROUND 8,DELFSHAVEN

Credit
All Composed by Han Jun Ryu All Arrangemented by Han Jun Ryu, Min Kyu Jun, Myeong Sik Keum, Jung Hoon Yang, Hyeong Cheol Park Lyrics : Han Jun Ryu (Track 5) Han Jun Ryu, Jamelle Van Mourik (Track 1) Art Design : Ohink Recorded by Dong Hee Lee Mixed and Mastering by Marius Beets

Han Jun Ryu(ユ·ハンジュン)

「UNDERGROUND」

テーマ部からドラマチックに盛り上がる。地下室の練習場をイメージしたという曲調からは各人の練磨の光景が浮かぶ。

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