ベース界期待の新星! イゴール・コーガン デビュージャズアルバム
「イン・ア・ビッグ・シティ」

2020年8月

ベース界期待の新星! イゴール・コーガン デビュージャズアルバム「イン・ア・ビッグ・シティ」

イン・ア・ビッグ・シティ世界規模の「コロナ禍」により、何かと暗い話題が多い昨今ですが、ジャズの本場アメリカから、期待の持てる新人のデビューアルバム情報が飛び込んできました! ベーシストの「イゴール・コーガン」による「イン・ア・ビッグシティ」です。早速、その新譜とイゴールを紹介します!

Susumu Osuka簡単に自己紹介してください

Igor Koganこんにちは。私の名前はIgor Kogan(イゴール・コーガン)です。アメリカのロサンゼルスのジャズアーティスト、ベーシスト、作曲家、バンドリーダーです。今回、デビュージャズアルバム「In a Big City(イン・ア・ビッグ・シティ)」をリリースしました。このアルバムの音楽は、ジャズクインテットのために書かれたすべてのオリジナル作品であり、特別ゲストとして9回グラミー賞にノミネートされたジャズボーカルのティアニー・サットンが参加しています。

SOどういったコンセプトのもとにアルバム制作を行ったのでしょうか?

IKこのアルバムは、「伝統的なジャズ」アプローチ(楽器、アレンジ、いくつかの楽曲)と、より「現代的な」サウンドの両方を利用しています。これは、全体的にジャズの伝統に対する私の深い敬意を反映していますが、新しい表現方法も見つけています。このアルバムの音楽はすべて、さまざまな場所での私の個人的な経験に基づいたオリジナルの曲です。

SOご出身と音楽的バックボーンをお聞かせください

IK私はロシアで生まれ育ち、15歳でイスラエルに引っ越しました。その後、20代でアメリカに移り、プロとしての音楽キャリアを追求しました。私はニューヨークに数年住んでいて、2014年にロサンゼルスに引っ越しました。住んでいた場所はすべて「ビッグシティ」で、アルバムの音楽に最も関連する主な動きはイスラエルから米国へ活動の拠点を移したことです。アルバムには9つのトラックがあり、それぞれがこの人生を変える動きの旅と私の個人的な経験を表しています。

それでは、デビューアルバム「イン・ア・ビッグ・シティ」を聴いてみましょう!

Igor Kogan(イゴール・コーガン)「イン・ア・ビッグ・シティ」
<パーソネル>
Igor Kogan bass
Jeremy Lappitt tenor saxophone
Joshua Aguiar trumpet/flugelhorn
Marco Apicella piano
Matthew Baker drums
Special guest Tierney Sutton vocals

1.Takeoff 9:19

Susumu Osukaベースによるパターンが、飛行機のゆっくりとした飛翔感を感じさせる。何かが起こる期待感が増す、オープニングに相応しいナンバー。

2. Qwerty aka False Start 7:38

SO急速調だがどこかクールな演奏。イゴールのベースソロには、目まぐるしく過ぎようとしている都会の一日を冷静に見つめる目を感じます。  

3. Expectations 5:29

SOアップテンポのワルツ。メンバーが曲に乗っているさまが伝わります。もっと大暴れしても楽しいかも、と思わせるようなコントロールされた力量を感じさせるほど。

4. Illumination 7:25

SOバラード。一聴、重心の低いテナーが伝統回帰を思わせます。聴き進むうちに、ベースの細かな動きが音楽を停滞させない事に気が付き、世界が一転します。このバラードはフロントよりもバックの仕掛けを聴くべき作品であることがわかります。アルバムの中で、一番聴き応えのある作品。 

5. Emergency Call 7:14

SO変拍子のテーマが最後までモチーフとして残ります。耳障りな電話音を緊迫した音楽へと昇華させています。

6. Bass Introduction 2:32

SOイゴールによるベースソロの小品ですが、昨今のハードな(もちろんエレクトリックを含めた)ベースを聞き慣れた耳には、柔らかな音、つまりは安心感のある音に聞こえます。 

7. New York Blues 5:51

SO柔らかいベースの音は管楽器との相性が良いです。その事をこのブルース(サビを含んでおり、いわゆるブルース進行曲ではないが、曲調はまさにブルースに相応しい)によって証明してみせます。ロシアに生まれイスラエルで育ったイゴールの考えるビッグ・シティのブルースは、ドヴォルザークの「新世界より」のように、どこか懐かしく、郷愁を感じさせます。

8. Vocalise (feat. Tierney Sutton) 8:46

ティエリー・サットンSOゲスト参加のヴォーカル、ティエリー・サットンのヴォイスは、音楽に香りとも言うべき色を加え、深みを与えています。フリューゲルホーンとのサウンドの絡みも成功しています。

Big City 12:21 12:21

SOラストナンバーに至っても、全編を通したコンセプトアルバム的な静寂や思慮深さが垣間見える演奏となっています。 

ジャズがワールドワイドな音楽となって、様々なシーンで活かされるようになりました。それでも、ジャズが内包する音楽としてのパワーは普遍です。今回デビューとなったイゴール・コーガンの生きの良い次回作に更に期待したい!

イゴール・コーガン

『イン・ア・ビッグ・シティ』

イン・ア・ビッグ・シティ PERSONNEL:
Igor Kogan   bass
Jeremy Lappitt   tenor saxophone
Joshua Aguiar   trumpet/flugelhorn
Marco Apicella   piano
Matthew Baker   drums
Special guest  Tierney Sutton   vocals

TRACKS:
1. Takeoff 9:19
2. Qwerty aka False Start 7:38
3. Expectations 5:29
4. Illumination 7:25
5. Emergency Call 7:14
6. Bass Introduction 2:32
7. New York Blues 5:51
8. Vocalise (feat. Tierney Sutton) 8:46
9. Big City 12:21

All compositions by Igor Kogan

Recorded on February 4th, 2020 at Dragonfly Creek Studio, Malibu CA
Engineered and Mixed by Charley Pollard
Mastered by Dave Darlington, Bass Hit Studio, New York, NY

Igor Kogan(イゴール・コーガン)

「イン・ア・ビッグ・シティ」

レコーディング風景の中に、和やかではあるがこの吹込みにかける意気込みが伺えるデモ動画。

Igor Kogan World Home Jazz Orchestra

「Igor Kogan World Home Jazz Orchestra - Revival 」

それぞれが自宅で同時演奏、ビッグバンドの音が世界中を駆け回るという、まさにこれからの時代の取り組み。ジャズ語が世界共通だということを証明してみせた面白い試み。

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