I・W・HARPER presents 「jazz イズ ヒア」新丸ビル7F 丸の内ハウス特設会場
I.W.HARPERといえば、我々80年代に青春があった者には、忘れられないバーボンと言える。ソーダで割ったやや甘口のハーパーは、女性に自信を持って勧める事が出来るキラーリカーだった。
それから30年もの月日が流れ、今I.Wハーパーは新しい波を興そうとしている。それも、これまた長い付き合いのJAZZをもって、現代の若い世代に響く潮流を興そうとしているのだ。
そもそもJAZZとI.Wハーパーは切っても切れない関係にある。と言うよりも、酒そのものがそうだとも言える。しかしながら、その酒離れの傾向が強い現代の若者には、やはりJAZZも今の音楽足り得ないのではないだろうか。誰もが思う疑問に、今回日本人の若い世代を代表するJAZZプレイヤーで答えると言う。楽しみにして、改装なりまたまた名所となった東京駅の目の前、丸の内の新丸ビルへと赴いた。
今回の会場となったのは、新丸ビル7Fの色々なレストランが連なる丸の内ハウス特別会場。エレベーター前の限られたスペースに設置されたステージでのジャズ演奏会は、一歩間違えればコンサートと言うよりも、CD店などでの営業スペースともなりかねない微妙な空間だった。
そのどちらに転ぶかわからない危うい空間を、一気にライブステージへと転換させたのは、やはり日本を代表する若手のジャズプレイヤーたちの力であったのは間違いが無い。
合計3組が出演し、3時間に及ぶ熱演によって、I.Wハーパーの久しぶりの檜舞台を、そして、日本ジャズの矜持を保ったのは、快哉を送りたいほどの小気味よさだった。
私はというと、主催者側の意向を汲み(?)ハーパーのソーダ割を鯨飲し、彼ら若きジャズプレイヤーの奮闘に声援を送るしか能が無かった。我が身の反省と、今後の明るい日本JAZZ界への展望に深く考えさせられたイベントだった。
紗理
「ザ・スウィーテスト・サウンズ」
彼女の場合、ここにきてついにある意味サラブレットである事の血統ではなく、自身の歌と声と、女性としての魅力で勝負が出来るところに来ているのではないだろうか。今回のステージにおいての素人っぽいはにかんだMCとややイメージに合わない衣装を差し引いても、歌唱力、声、英語力、ルックスと4拍子揃った今後が楽しみな、おススメのボーカル。チャーミングな世界に男が夢を見れる待望の新星。
松永 貴志
「グッド・ニュース」
金色のシャツを着た松永が、あくまでも無造作にその強靭なタッチでチック・コリアの「スペイン」を奏で始めた瞬間に、彼の演奏だけはグランドピアノで聴きたかったと言う思いばかりが強くなった。割れてしまった音が印象に残った演奏の後に、「キーボードですが、ピアノの様に弾きます」と言った彼のいさぎよさに心打たれ、彼こそはいつまでも変わらぬ少年の心のままにピアノを弾き続けているのだとわかった。この新作はデビュー10周年を記念しての物。